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【2025/07/20 19:55 】 |
諏訪紀行 守屋神社の祭神まとめ
守屋神社の祭神について、まとめておこうと思います。

1.物部守屋

2.社宮司(ミシャグジ)

3.山王

4.片倉辺命
1.物部守屋については、守屋神社・奥の宮の石碑と、鳥居の額に
「物部守屋」と彫られてあることが根拠です。

ググってみると、「物部守屋の子孫が移住してきて、物部守屋を祭る神社を建てた」
という話もありましたが、後付けの話のような感じがします。
「守屋神社」の「守屋」に惹かれて「物部」がくっついて「物部守屋神社」になり、
物部氏がやってきて物部守屋を祭った、という設定ができたのではないか
と考えました。

「物部守屋神社」を略すなら「物部神社」になる方が自然だし、
先祖を祭るなら、「物部守屋」のように個人崇拝ではなく
ひとまとめの漠然とした存在として祭る方が自然だと思います。

ここまで書くと、守屋神社と物部守屋の関係を否定しているようですが
火のないところに煙は立たぬというように、両者が無関係ではないという
根拠もあります。

キーワードは「物」です。
「物」部氏と、三輪山の大「物」主。

「大物主のモノとは目に見えぬ、人の畏怖する霊威をいう。
物部氏のモノ、「物知(モノシリ)人等の卜(ウラ)事」(龍田風神祭)と
祝詞でいうところのモノも同類、沖縄語では今も易者をモヌシリと呼ぶ。
(中略)
平安朝にしきりに用いられた「物のけ」のモノになると、
ほぼ悪霊というのに近い。
(中略)
ただ、それがモノの本来の姿であったとは限らない。
ギリシャ的なデーモンがキリスト教とともに悪霊化していったように、
モノも仏教が浸透するにつれ悪鬼へと次第に零落したのではなかろうか。
(中略)
崇神記に「役(エヤミ)の気」を「神の気」とも称しているのは、
モノとカミにはきわどく重なりあう点があったことを示す。」

以前、三輪山の大物主と守屋山のミシャグジの関係について書きました。
ミシャグジを「モノ」と見なすならば、守屋山にある守屋神社から
物部氏の物部守屋が連想されることは十分あり得ると思います。

結論としては、守屋神社が創立されてから後に、物部守屋が祭神とされた、
ということです。
よって、物部守屋を祭るために守屋神社が創立されたのではない、
と考えます。


2.社宮司(ミシャグジ)については、灯籠に
「社宮司」(ミシャグジ) 「明治四十五年合祀」とあることが根拠です。
この合祀は国策によって行われたもので、信仰とは関わりがないと
思われるので特に書くことはありません。


3.山王については、灯籠に「山王」とあることが根拠です。
以前、「山王」は日吉大社の祭神、大己貴(オオナムチ)のことではないか、
と書きましたが、実際に守屋神社で大己貴を祭っているのかどうかは
分かりません。


4.片倉辺命については、『諏訪大社復興記』に
「片倉辺命(諏訪郡守屋山南麓ニ坐ス神)」とあることが根拠です。

片倉辺命は、建御名方神と八坂刀賣神の御子という設定に
なっていますが、どのような神なのかは分かりません。

また、守屋神社は諏訪大社の摂末社ではないので、
守屋神社と片倉辺命が関係あるのかどうかも怪しいです。

しかし、「守屋山南麓」にある神社は守屋神社しかなく、
守屋神社創立のきっかけを考えるならば、
物部守屋・社宮司・山王より、後付けっぽくない片倉辺命の方が
ふさわしいと思います。


以上、四柱を祭神として取り上げましたが、どの神が祭神であってもなくても
不思議は無いように思われます。

守屋神社は本当に底が知れません…


参考文献
『古代人と死 大地・葬り・魂・王権』 西郷信綱 平凡社ライブラリー
『神道入門 日本人にとって神とは何か』 井上順孝 平凡社新書
『諏訪大社復興記』 諏訪大社社務所


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【2010/07/04 16:23 】 | 諏訪 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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